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やっぱり迷機! DiMAGE A1

2005年3月112日

サンパウロ在住 美代賢志

一応、これまでのリンクを。

1) 舌の根も乾かぬ内に新たなデジカメ
2) A1その後
3) A1本来の画質

 江戸っ子さんの協力によって、興味深いことを発見しましたのでちょっと書いてみます。いまさらこの機種について書くのもどうかと思うわけですが、そこはそれってことで(って、理由になってないですね)。

 ミノルタユーザーの期待を一身に集めて登場した割には、リリース直後から「緑かぶり」だの「ノイズまみれ」だのと散々の画質評価で(笑)、同社製デジタル一眼待ちだった多くのユーザーを他社に流出させる遠因になった(のか?)迷機DiMAGE A1。でも、カメラって画質だけじゃなくて使い勝手とか大きさも考慮してあげてよ、と、私は思うのですけどね。

 もっとも、レンズ交換式のデジタルカメラに関しては、例え同社製レンズを色々所有していたところで描写を考えたら買い替えることになるはずという判断から、オリンパスのE-1を導入したのは、すでに紹介したとおり。

 オリンパスとコニカミノルタの2本立てを予定していたのだけれど、その根拠となった昨年半ばの元気なブラジル国内の事業計画はどこへ行ったのか(というか、関係している会社の人たちと話していると、そんな方針を立てたことは忘却のかなた…)という感じで、不安が増大するのでありますが。などと書きつつも、まだKMPS会員です(笑)。ブラジルではサービスは一切受けられませんが。

 E-1のMF&マニュアル操作にすっかり慣れ、カーニバルも無事終わったということで、再びベストお手軽カメラのA1をいじってるわけです。それと、ハチ娘が田舎に行ってるんで、とりあえずは、A1以上の高画質な写真への需要も無いんで。

 そう思ってA1を再び取り出したところ…やっぱり小さいし軽いですね。E-1に変わって再び、散歩カメラの地位を獲得したのでありました。毎度、軟弱ですみません。あと、これから乾季に入るんで雨天で撮影するという状況も少なくなりそうというのもあるんですよね。E-1って夕立もそのまんまでOKなんですけど。ただ、A1のレンズは、やはり歪曲がちょっと気になりますね。従来、ズームには期待しないってタイプだったので、こんなもんだろ、なんて思っていたのですが、オリンパスのズームに接した影響でしょう。もうひとつ、A1を引っ張り出してきた理由は、オリンパスの50-200mmか40-150mmを導入しようと悩んでいたのですが、「お手軽望遠なら、A1を持ち歩けば?」と、思ったわけです。何しろ、望遠なんて日常的に使わないんですよね。それでお手軽ならA1にしちゃって、それ以上の超望遠と画質が必要な時は、E-1と50-200mmを使えば良いじゃないかと。いや、これに関しては手持ちのミノルタAマウントレンズとα-7Dという選択肢もあって悩み中。ただ、日本以上にブラジルのコニカミノルタの事業展開がゼンゼン読めないんで(これはオリンパスも同じですけど)、不具合が多そうなな7Dの噂も含めて、ちょっと躊躇しております。

 それで、お手軽という方向に舵を切ると、もう歯止めがかからないんですね。だからA1ではJPEG撮影で済ませちゃおうとか思うわけです。それで引っ掛かるのが「緑かぶり」。さてさて、どうするか。それで、ふと思いついて同じ設定で、sRGBとAdobeRGBの色空間のみ変更してJPEGで撮り比べてみました。その結果…驚くべきことが。



AdobeRGBもsRGBのプロファイルに変換。窓から手持ちの手抜きで御免。

 正直、ミノルタの技術者は色味を決定する時、モニターかソフトのプロファイルを間違えてたんじゃないかと思うぐらいに違います。E-1の場合、色空間が違ったとしても、対応したプログラムで見る限り、基本的に差は出ないです。イチイチ書かなくてもお分かりと思いますが、上がsRGB、下がAdobeRGBで撮影したもの(sRGBにプロファイル変換済み)です。

 sRGBの色を「ナチュラルなミノルタならではの色」なんて言っていた人は、AdobeRGBの色を見ると卒倒するんじゃないでしょうか。確かに見た目で言えば、サンパウロの空なんて公害バリバリですから上のほうがやや近い気がしますけど。AdobeRGBも、並べてみるとちょっとマゼンダに寄っているような気がしないでもないです。AdobeRGBで撮影されたものをプロファイル変換せずにsRGBで表示したときのような感じといえば、そう言えなくもありません(実際にA1でこれをすると、もっと色が狂っています)。もうひとつ不思議なのは、RAWで撮影した写真をDiMAGE Viewerでそれぞれの色空間で現像すると、2枚の写真には、色の差が生じないということ(撮影時だけでなく、現像時にそれぞれ、DVのカラー設定をしなければなりません。このプログラム、色に関して非常に難解な手順を踏ませますね)。結局これ、カメラ内部の画像生成プロセスのバグというか設計上のミステイクじゃないでしょうか? それともこれ、私のA1だけの問題でしょうか。

 緑かぶりという指摘に「品質の許容範囲内」と回答していた(らしい)コニカミノルタですが、AdobeRGBの色に関しても「品質の許容範囲内」なんでしょうか。それとも、「緑抜け」だったりして(笑)。どちらかというと、私は下のほうが好みですけれど。緑かぶりのためにA1入手に躊躇しておられる方でAdobeRGBで運用できる環境の方は、もし下の色で許せるなら、ちょっと幸せになれるんじゃないでしょうか。

 もしかするとこのあたり、すでに焼●さんが紹介されているかもしれませんが、ざっとサイトを見た限りでは見つけられませんでした。

 ということで私は再び、A1では、RAW+SILKYPIXに戻っちゃいました。このカメラでハチ娘を撮影する時は、買い物なんかでショッピングセンターに行った時ぐらいでしょうけど。

 それから同じシーンをE-1とA1で撮り比べると、両者をSILKYPIXで現像しても、A1のほうがコントラストの低い(暗部の明るい)絵を作るように思います。一応、パラメーターを調整して(色はともかく)雰囲気は可能な限り似せるようにしましたが。それと、やはり1段ぐらい露出が変わりますね。同じISO100相当でも、A1の方が明るく写ります。

 私の場合、結局、JPEG撮影するまでには至りませんでしたが、(RAW前提の)コンパクトカメラであると考えると、本当に楽しいカメラではあります。

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