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ゆっくりと田舎…なわきゃぁなかった E-1とA1の話 |
2005年3月30日 |
サンパウロ在住 美代賢志 |
さて、ブラ妻とハチ娘を迎えに延々、600kmも車を転がして行ったわけなのでありました。途中、サンパウロ市を出る前に雨で渋滞しているのに路を間違えるハプニングが。これによって本格的な渋滞に巻き込まれてしまい、なんと9時間も費やす結果に。いやもう、何だかな。
そんなこんなで、3連休を田舎でのんびり…なんてことはなく、こまごました用事を済ましている間に最終日。早朝、何とか農場に行き、ブラブラと散歩しながら2時間ほどを過ごした。で、チョイとやってみたかった実験もこなしてみたのでその結果を。まずは、下の写真をご覧下さい。コーヒーノキです。いずれもマニュアル露出で、現像段階でややコントラストを下げています(これでも)。
まるでポジのような発色 |
オリンパスのE-1は、コクのある青空や、ポジ(スライド)フィルムのような発色が特徴といわれております。…と書くと、なにやらこの写真がE-1で撮影したかのように思われますが、実は、ミノルタ(コニカミノルタ)のA1で撮影。この下の写真が、E-1で撮影したものだったりします。
こちらがE-1の撮影 |
どちらもSILKYPIXでRAW現像しているのですが、やはりCCDが異なると同じRAW現像ソフトを使っても同じ発色にならないと言えるようです。というか、SILKYPIXのカメラ毎の色空間の作りこみの問題かも知れませんが。私の場合は、E-1で撮影したRAWファイルをカメラ内で現像し(最新ファームのオリンパスビューワーで現像すると、カメラ内現像とやや異なった色のファイルが出来上がります)、これを規準にE-1に関するSILKYPIXの規準パラメーターを設定しています。さらに、これと同じシーンを撮影したA1のRAWファイルの現像パラメーターを、E-1&SILKYPIXの色(雰囲気)になるように、A1の規準パラメーターをフィードバックさせつつ作り込みを(時々)継続している段階です。つまり、E-1を導入後、それまでのA1の規準パラメーターも変更しています。かなり試行錯誤して調整しましたが、やはり、緑色の葉など、かなり違いますね。まだ、追い込みが足りないみたいです。あと、街中の写真だとあまり差が出ないんですが、こんな写真だと、かなり差が出ますね。
「他社製RAW現像プログラムを使うとE-1の色が出ない」と言われているかと思えば、「コダックのCCDによる発色だから、他社製RAW現像プログラムを使ってもE-1の色が出る」と言われたりして、いったい、どっちが本当なのかと思っていたわけです。これを見る限り、私自身は、どっちも本当というのが実感です。つまり、CCDの影響も受けるし、RAW現像プログラムの影響も受けるってことじゃないでしょうか。
それから、同じ場所からほぼ同じ明るさになるように撮影した写真も掲載します。
A1で撮影 |
E-1で撮影 |
こうして並べると、違うと言えば、青空も牧草の色もまだまだ違いますね。青空が普通にスッキリしているE-1は(もしかすると)さすがコダックCCDということなんでしょう。A1の場合は、この青空を出すために、結構、パラメーターを微調整しています。ちょっとシアンが強すぎますか。緑は逆に、E-1よりコッテリしているみたいです。SILKYPIXの通常のパラメーターではスッキリせず、やはり、サードパーティー製RAW現像プログラムと言えども、CCDの素性がしっかり反映されているようです。
それでも、カメラ内現像されたJPEGがショボショボであることを考えて大目に見れば、A1の写真だってあの「青空のE-1」と、ある意味で肩を並べていると言ってあげたくなる画像が、サードパーティー製RAW現像プログラムによって生まれるわけです。まぁ、現状、どちらがよいかは別にして、差はありますが。でも、もう少しパラメーターを追い込めば、さらに差が縮まるのではないでしょうか。私には、そこまでの気力はないです。
個人的には、色に関しては目くじら立てるほどの違いじゃないかも、って印象です。サードパーティーでRAW現像が可能な機種同士でどちらにするか迷っている場合、「発色などは考えず、機械としての好みで選ぶべし」というのが、この場合の結論かも。まぁ、そんな理由で、散歩カメラとしてはA1を持ち歩いているわけです。とはいえ、実力以上の仕事は任さない(さらに書くと、任せざるを得なくなった場合は泣く)のですが。いろんな要素を考えながら選ぶ過程も、カメラの楽しみなんですよね。
(つづく)
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