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師走 |
2004年12月23日 |
サンパウロ在住 美代賢志 |
御茶ノ水橋、である。
陸の孤島に旅立つ前に、市立劇場の撮影に行ってきた。最近、携帯電話強盗が多発していると「O Estado de São Paulo」紙に報道された広場が、この先にある。クリスマスプレゼントを買おうと、多くの人が雨の中、この橋の上を往来していた。
先日通りかかった時は、大先輩でもあるカメラマンが、中判の一眼レフ(もち、フィルムです)を構え、「ぱしゃこん」と、景気の良い音を響かせていた。
「中判、それも新型のほうですかぁ。危なくないですか」
「うんにゃ」
とまぁ、まるで日本で建築写真を撮影しているかのような撮影スタイル。久々に会ったので話が弾んだのだけれど、その間、ずっとカメラを手に握っておられた。いやぁ、私はそこまで、命はかけられないですわ。私もカバンの中にカメラがあったのだけれど、カメラのカの字も出さなかったのでありました。
この日はあいにくの雨で、市立劇場の周辺にいる人というのは、雨宿りの浮浪者だけ。結局、絵葉書的写真の撮影はあきらめた。
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