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文協に期待すること |
2005年8月10日 |
サンパウロ在住 美代賢志 |
昨日茶化してみたサンパウロ新聞の原稿募集の広告。今日も同じ広告を掲載している。この文面を作った編集幹部が足りないのはともかくも、この程度の稚拙なミスに気づいて指摘する人がサンパウロ新聞社内にいないのかと思うと、憂鬱な気分…。ま、内山さんが亡くなられた時点で、新聞的編集センスも終わりってことかも。
デジカメによる簡易コピーでゴメン |
一応、こちらにもトップページに書いた文章を掲載しときます。
募集 『文協に期待すること』by名無しさん@サンパウロ新聞
冒頭から、ものすごい誘導(恣意的設問)がなされている、驚くべき広告です。「日系団体のリーダー格でなければならないはず(太字・管理人)」とか、「創立精神の原点に立ち戻って(太字・管理人)」とかが前書きにあって、統計調査を学んだかどうかという以前の稚拙な内容に度肝を抜かれました。広告主もさすがに恥ずかしいのか、誰がこんな広告を打ったのか、主催者名がどこにも書いてありません。投稿先の住所すら、広告欄に掲載されていないという体たらくです(爆)。「発表=文協特集紙上(発刊日未定)」とあるのは、もしかして広告が掲載されたサンパウロ紙のことを意味するのでしょうか…。それとも独自に新聞を発刊するのでしょうか。それともまさかサンパウロ紙がこんな稚拙な世論誘導をやっているのでしょうか。現時点で推測できる広告主のイメージは、現在の執行部に反対意見をもつ一世であり、「文協が変わったのではなく、日系社会の社会構造が変わってしまったということに気づいていないヒッキー」だろうということでしょう。少なくとも文協に関していえば、社会構造が異なってしまったのにそれに目を向けず、原点ばっかり見たがる懐古人間がチャチャを入れてきたので、このような惨状に陥ったのだと思います。さらに思うに、このような前置きをした上で「文協に期待すること」という作文の募集広告を打ったところで、所詮は「日系団体のリーダーとして文協を復活させるには原点に立ち返るんだ」とか、「原点に戻ればリーダーとして文協は復活するんだ」といった意見(に枝葉の生えたもの)しか集まらないでしょう。集まった原稿に目を通し、「実はみんな私たちと同じ思いだ」と、さぞ主催者はうれしいでしょうね。そうやって、ずっとヒッキーをしていればいいと思います。匿名でこんなことをやっている時点で、広告主(主催者側)がどれだけいい加減で怪しい存在なのか、ひしひしと伝わってきますね。
(以上、文頭のスペースを入れて投稿規定の800字キッカリ)
とはいえ面白い企画なので、私も勝手に宣伝させていただくことにした。そこで、サンパウロ新聞の前書きを、一般の人にも分かりやすい言葉でに書き換えてみた。関心のある方は、ぜひ投稿しましょう。
サンパウロ新聞が募集しています 「文協に期待すること」
文協は長年、日系社会の錚々たる名士が会長として采配をふるってきました。その一方で、日系社会は世代の交代や多様化が進んで発展してきました。ところが日本語新聞はリベルダーデ界隈にのみ目を向け、日系社会の意見を汲み上げるということをしてきませんでした。100周年に際しての箱物の計画中止を求める日系社会の声も、リベルダーデ界隈の常識しか知らない私たちの論陣による報道では暖簾に腕押し、結局は、谷広海氏による文協会長選への立候補という一事によってのみ、意見を執行部に届けることができたのです。日本語新聞の影響力の凋落という現実にかんがみ、文協執行部に対してどのような論陣を張ればよいのか、どのようにすれば新聞紙面の影響力を回復できるのか、ぜひ、皆様のお知恵を拝借させていただきたいと思います。ただし、ご意見は文協を創立の理念に立ち戻らせ、私たち高齢者や一世(さらにそれをベースにした日本語新聞社)がベネフィットを受けるという目的の日本語原稿に限らせていただきます。
あ、そうそう、原稿は手書き(ワープロやパソコンのプリントアウトも可)といった、「紙原稿」じゃなきゃいけないみたいで、電子メール等は不可のようです。サイトにも募集広告がない。つまりは、広く意見を集める気はなくて、ジジババのみ投稿しろ、ということですかな。投稿の詳細は、サンパウロ新聞の広告をご覧ください。ただし、提出先の部署や担当者どころか、住所も記載されていません。
ある雑誌の編集長も言っていた言葉。「書きたい人ばっかりで、編集やりたいって人がいないから…」。新聞にも言えるかも知れない。文協の現執行部から無視されているのは、記事そのもの(や記者)ではなくて、新聞という媒体(編集)なのだと思う。
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