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ブラジルがついに優勝
2002年7月1日
サンパウロ市在住 美代賢志

 ついに、というか期待通りというか、ブラジルが優勝した。組み合わせがラッキーだったというのもあるかもしれない。「セレソンの問題は、合同練習の不足」と言ってきたスコラーリ監督の言葉どおり、メンバー確定後は次第に調子を上げてきてはいた。それでも、「優勝できれば儲けもの」ぐらいに思っていた。

 98年以来の不振を引きずったセレソンは、南米予選では国民からケチョンケチョンな批判を浴びてきたのである。で、優勝。

 何より感動したのはドイツに勝利した後、「温かく見守ってくれたブラジル国民に感謝します」という横断幕を選手が球技場の観衆に披露したことだった。これは、ブラジル国民の感動を誘った。そう書いている日本人の私ですら、これを見て泣けてきた。

 日本の代表はなんだか、内向的というか自分のためにプレーしているという印象を試合ぶりから感じていた。「俺は一生懸命プレーしているんだ」という印象。これに対してブラジル代表は、なぜか観衆と会話でもするかのようなプレーをする。そして本当に悔しそうだったり嬉しそうだったり、国民と感情を共有しているようなプレーである。

 試合後、ブラジル代表の強さの秘密を聞かれたフェリッポンは、次のように答えていた。

 うれしいと思うのは、この瞬間、新たにもたらされた優勝をブラジル国民と分かち合っているということ。7戦全勝するというのは、監督になった時に決めていたことだ。そしてブラジル代表の強さの秘密は、目的を達成するための情熱と友情、団結、譲り合いだ。そしてブラジル国民を代表としているという気持ちと、ブラジル国民からエネルギーを得ているということを常に忘れなかったことにある。

 私はブラジル国民ではない。でも、この国の構成員の1人としてこの国に住んで、本当に幸せだと思う。

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