日本人がブラジルを訪問した時、ぜひとも案内したいのがフェイラ(feira)と呼ばれる露天市。何しろ、珍しい野菜や果物、魚、雑貨が目白押しである。雑踏を売り子の声が交錯する雰囲気は、日本の朝市も顔負け、かも知れぬ。そして!わたくしDangoが必ず案内するのは、バナナ売り場である。バナナを指差しながら、片言の日本語で「コレハ、ナニカ」と言うのである。
「バナナ」
と、当然ながら返事が返る。そこでもう一度、
「ダカラ、コレハ、ナニカ」
「バナナ」
「ダカラ、コレハ、ナニカトイウバナナ」
そう、ブラジルには「Nanica」というバナナの種類があるのだ。Nanicaというのは小さいという意味だが、このバナナはむしろ大きい。日本で言うフィリピンバナナである。小さいのはむしろ、モンキーバナナのMaçãである。Maçãとは、リンゴのこと。そう思って食べると、確かにリンゴの味がする。ということで、バナナ・ナニカはナニと比べて小さいのか、わたくしDangoにもわからないのである。
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