グレーシー柔術を例に挙げるまでもなく、ブラジルでは日本の武術、武道が比較的盛んである。しかし道場の日本人先生たちに言わせると、「練習がきつかったりちょっと叱ると、すぐに来なくなる」という。
この発言、まるで非はブラジル人にあるかのようである。かような謗りをうけては、ブラジル人の恥。ここで一言、きっちりと決着をつけようと思う。
ブラジル人が道場通いを厭う一番の理由は、そのネーミングにあると私は見ている。何しろ日本武道のひとつは合気道と呼ばれ、ことさら肉体的苦痛を強調する。確かに、合気道の使い手にして映画俳優のスティーブン・セーガルの演技を見ていると、悪役はバタバタとやっつけられあるいは簡単に死に至らしめられるなど、相手に相当の苦痛を与える術であることは確か。
しかしそれでもアイキドウ、つまり「Ai, que dor(あぁ、痛い)」とまで名付ける必要があったのか、私は理解に苦しむのである。
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