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ナタール ドタバタ観光記(1) |
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ドタバタ観光記(2)
ドタバタ観光記(3)
日本に一時帰国したときのマイルがある。南米なら何処でも一往復可能だということで、ブラ妻と私は観光旅行の計画を練った。
第1に候補として挙がったのが、アルゼンチン。何しろ通貨ペソの暴落で、外国人にとっては驚くほどの物価安だという。などと考えているうちに、ブラジル通貨のレアルまで暴落。アルゼンチン行きは水泡に帰した。私がアルゼンチン行き以上に期待していたイースター島も、同様の理由でサヨナラに。いや、それ以上にわがブラ妻は、生物学上、さらに地理学上、そして人類学上重要なこの島の価値を認めてくれなかったのだけれど。
「こうなると、選択肢はブラジル国内か…。ええい、もう何処でもエエわい。ブラ妻、勝手に決めたらんかい!」
そう言って、こんなこともあろうかと独身時代に読みもしないポルトガル語新聞を購入、付録を集めて作った「ブラジル国内観光ガイドブック」を手渡した。
「南は行ったことないし、治安も良好だというから、サンタ・カタリーナかリオ・グランデ・ド・スルならどっちでもエエで」
ところが、このガイドを頼りにバイク狂でカーレース系ゲームの鬼、ブラ妻が選んだのがナタールだった。
「うぅー、砂丘とバギーが呼んでる!」というのがブラ妻が私に告げた理由である。
「そんな遊園地みたいなモン、何が面白いんじゃぁ? ま、お前がバギーで楽しんでいる間、こっちはブラついて写真でも撮ったりするか」
と、こちらも特別に行きたい場所があった訳でもないので、即座に同意した。ホテルは「地球の歩き方」を頼りに探そう。何しろこの本は、ブラジル版の創刊時に巻末の「旅のポルトガル語」を執筆したほか、それ以降には巻頭のカーニバルの写真も「名前を巻末に入れる限り」という条件で、無期限で無償貸与した。そんなイキサツから、タダで貰ったので所有している。大阪人的には、「使わな損損」。とはいえ、その後は編集部から写真の返却も無く、かといって後続の本を送ってくるわけでもない。この約束が履行されているのかどうか、全くもって不明である。
しかし…。この本にも問題があった。あくまでも個人的な理由だが、この本が想定している読者、つまり「ポルトガル語ができないけれど、それなりにブラジルを知ったつもりになれる旅行をしてみたい日本人」というのと、私の立場が違うのだ。ホテルやレストランの説明を読むだけで、「そもそもの旅の目的が違う」ということが判明した。何しろこの本、思い込みの取材や解説がすごく多い(※)。自分の独断による経験だけをお土産にするなら、それも良いだろう。しかし…私は嫌だ。ブラ妻は私以上に、それが気になるだろう。
そこであっさり、この本に頼るのを放棄した。それに替わって、旅行代理店に接触することに決定。偶然にも近所の方が、一足先にナタールへ旅行するという。その方が懇意の旅行代理店を紹介してもらった。
(つづく)
※ 一例を挙げると、このサイトに掲載した「ナタール市民なら当たり前!」ともいえる有名レストランなどは、この本には一切、紹介されていない。こうした小さな街では、地元の評価はほとんど一致しているもの。そういった地元民のお勧めレストランが掲載されていないというのも、記者自身の体験を主体にした取材であることを裏付ける。もちろんこれは、「行った、見た、感じた」という私的体験を重視した旅行においては、一概に否定できるものではない。繰り返しになるが、私のこの時の旅行パターンと異なっていたということ、それだけである。
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