ブラジル・フォーラム「貴卑談語」

　一般的な日本人にとって、カーニバルといえばリオデジャネイロ。同様に行進する形式は、サンパウロを初めとする各都市でも行われている。

　リオとサンパウロの違いは…と訊かれて、「豪華さならリオ、親近感ならサンパウロ」と、答える人は多い。そのサンパウロも年々、観衆との距離が遠のいているように感じる。

　さて、カーニバルの季節の季節は、ブラジルは雨季にあたる。サンパウロでは、02年のカーニバルも雨が降った。

　日本のメディアの決まり文句は「熱気と熱狂」なのだが、取材している方でさえ、肌寒さを感じることもある。こうして笑顔を振りまき裸に近い格好で踊る踊り子は、さぞ大変だろうと写真を撮りながら感じる。それでも、ともに雨に濡れて踊りながら熱心に声援を送る観客があって、報われるのだろう。

　音楽、踊り、衣装、そしてテーマ。ブラジルの国民性から生まれたカーニバルは、単なる裸踊りではない。

　例年２年に行われるカーニバルだが、今年は3月に行われる。