2002年1月の写真 |
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Praia Cumbuco - Fortaleza CE午後も日が傾いて、砂浜に面したレストランで休んでいると次々に売り子がやってくる。売り物のほとんどは、小エビのフライだった。 中にひとり、チーズを炭火で焼いて売っている少年がいた。海から吹き付ける風が強くて砂が舞うため、1メートルぐらいの棒を地中に突き刺し、その先にカンカラのコンロをくくりつけている。そこに、この地方特産のフレッシュチーズ、「ケイジョ・クアーリョ」をかざしていた。 こちらは装備が装備だけに売り歩くということは無くて、私のテーブルから離れた砂浜に、ひとり取り残されたように陣取っていた。 カメラを手に少年の方へ行くと、海岸のはずれに1艘の帆船が見えた。東北地方の名物、平底船の「ジャンガーダ」だ。 「国なんてものは忘れて、あの船で海賊でもやりたいなぁ」 すると少年は笑いながら、それでも生真面目に、「チォ(おじさん)、あれでは小さすぎるよ」と言う。そりゃそうだ。 少年に代金を払って近くまで行った。白い帆が青い空を掴むかのように風を受け止める様は、実に堂々としているではないか。
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